DMMビットコインは、2025年3月8日にサービスを終了しました。口座と預かり資産はSBI VCトレードに移管されています。これが結論です。
ただ、この記事は制度の解説だけをするものではありません。私は2019年、DMMビットコインに合計で約149万円を入金してレバレッジ取引をしていた利用者です。戻せたのは約103万円。差し引き約46万円を失って撤退し、その数年後に「自分が使っていた取引所が消える」という出来事を外から見届けました。
この記事でわかることは次の3つです。
- DMMビットコインの廃業までの時系列と、口座・資産がどうなったか(事実の整理)
- 実際に使っていた私が、何にいくら入れて、どう失ったか(一次体験)
- 「取引所が消える」を経験した利用者として、これから暗号資産に触れる人へ伝えたいこと
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。暗号資産は元本の保証がなく、価格変動により損失が生じる可能性があります。
結論:DMMビットコインの口座と資産はSBI VCトレードへ移管された
まず事実関係を時系列で整理します(2026年7月時点の公表情報に基づきます)。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年5月31日 | 不正流出が発生。4,502.9BTC(当時の円換算で約482億円相当)が流出 |
| 2024年6月〜 | DMMビットコインが顧客資産の全額保証を表明。グループ会社からの資金調達(計550億円規模)で対応したと報じられています |
| 2024年9月26日 | 関東財務局が行政処分(業務改善命令)。この時点で流出の根本原因は「究明に至っていない」とされました |
| 2024年12月2日 | 事業廃止の方針と、SBI VCトレードへの口座・預かり資産の移管に向けた基本合意を発表 |
| 2025年3月8日 | 移管が完了し、DMMビットコインはサービス終了 |
利用者の目線で大事な点は2つです。第一に、預かり資産は消えませんでした。口座はSBI VCトレード側で開設される形で引き継がれ、日本円や暗号資産の残高は移管されています。第二に、レバレッジ取引の未決済ポジションは移管の対象外でした。ポジションを持ったままの人は、移管前に決済する必要があったということです。移管に関する発表はSBI VCトレードのお知らせ一覧で確認できます。
私がDMMビットコインで取引していた話|40日間で約46万円を失った記録
ここからは私の話です。銀行の振込履歴が残っているので、日付も金額も記憶ではなく記録で書きます。
2019年5月11日、私はDMMビットコインに最初の入金をしました。その日のうちに9万円、10万円、20万円と3回に分けて合計39万円。翌12日にはさらに50万円。3日目の13日にも20万円。つまり最初の3日間で109万円を入れています。
1日で終わらず、3回に分けて振り込んでいるのがポイントです。最初から109万円を入れるつもりだったわけではありません。レバレッジ取引でポジションが傾き、証拠金を維持するために「あと10万、あと20万」と継ぎ足していった結果がこの振込履歴です。冷静な資金計画ではなく、追い込まれた人間の入金パターンだと、いま見返すとよくわかります。
その後、5月中旬に一部を出金し、また入金し、6月7日に61万5,000円を引き出して一度撤退。6月中旬にもう一度だけ10万円を入れて、6月20日に残りを出金して終わりました。期間にして40日。合計で約149万円を入れて、戻せたのは約103万円。差し引き約46万円の損失です。
当時のDMMビットコインはアルトコインを含むレバレッジ取引を前面に出した取引所で、私もその使い方をしていました。値動きの大きい資産にレバレッジをかけると、損失の速度は現物の比ではありません。40日で46万円という数字は、私にとってその授業料でした。なお、こうしたリスクの高い取引を経て個人向けレバレッジは規制され、2026年7月時点では国内の登録業者で最大2倍までとなっています。
私はFXでも大きな損失を出した経験があり、その顛末はFXで38ロット持って損した話に書きました。振り返ると2019年の私は、FXと暗号資産の両方で同じ失敗——「損を取り返すための追加入金」——をしていたことになります。
不正流出から廃業まで|利用していた取引所が消えるとき
2024年5月31日の不正流出のニュースを見たとき、私の口座はすでにほぼ空でしたが、それでも背中が冷えました。もし取引を続けていたら、預けていた資産はどうなっていたのか。誰でもまずそれを考えると思います。
結果から言えば、顧客資産は守られました。DMMビットコインは流出分の全額保証を表明し、グループからの資金調達で対応したと報じられています。その上で、2024年12月2日に事業廃止とSBI VCトレードへの移管方針を発表し、2025年3月8日に移管を終えてサービスを終了しました。
「取引所が破綻したら資産は返ってこない」という最悪の形にはなりませんでした。ここは正確に書いておきたい点です。一方で、原因究明の途中で行政処分が出るような事態が現実に起きたこと、そして一つの取引所がなくなるまでわずか10か月だったことも事実です。
移管で利用者は何をする必要があったか
元利用者の実務として、移管まわりの要点をまとめます。
- 口座開設の手続きは原則不要でした。SBI VCトレード側で口座が開設される形で引き継がれ、すでにSBI VCトレードの口座を持っていた人は統合の扱いです
- レバレッジの未決済ポジションは移管対象外。持ったままにはできず、移管前の決済が必要でした
- 取引履歴・年間取引報告書は移管前に確保しておくべきでした。取引所のサービスが終了すると、過去の履歴を後から取りに行くのは難しくなります。損益計算や確定申告に必要な記録は、取引所が生きているうちに手元へ落とすのが原則です
「取引所が消える」を経験して学んだ3つのこと
1. 取引所そのものがリスクになりうる
価格変動のリスクは誰でも意識しますが、「預け先の取引所がなくなる」リスクは、実際に経験するまで私も真剣に考えていませんでした。DMMビットコインのケースでは資産は守られましたが、これは結果論でもあります。金融庁に登録された業者を選ぶこと、そして一つの取引所に全額を置かないこと。この2つは最低限の防御だと考えています。持っているだけのビットコインを動かす選択肢として貸暗号資産を検討する場合も同じで、レンディング5社の利率とリスクの比較に調べた結果をまとめています。
2. レバレッジは損失の速度を変える
私の46万円は、40日間の出来事でした。現物の積立で46万円を失うには相場全体が大きく崩れる必要がありますが、レバレッジならポジション一つで足ります。いまは個人のレバレッジが最大2倍に制限されていますが(2026年7月時点)、それでも「継ぎ足しの入金」が始まったら止まるべきサインです。私の振込履歴がその見本です。
3. 記録は取引所ではなく自分の手元に残す
この記事の入出金の日付と金額は、銀行の振込履歴から書いています。取引所側の履歴はサービス終了とともに取りにくくなりましたが、銀行の記録は残りました。損益の把握も税金の計算も、元データが手元にあって初めて成立します。取引履歴のダウンロードと保管は、面倒でもやっておく価値があります。
損失のまま終わった人の税金はどうなるか
私のように損失で終わった場合、税金の扱いで押さえておきたい一般的なポイントがあります(2026年7月時点の制度に基づく一般論です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください)。
- 個人の暗号資産の損益は原則として雑所得に区分され、給与所得など他の所得との損益通算はできません
- 株式やFXと違い、損失を翌年以降に繰り越す制度もありません。「損失だから申告すれば戻ってくる」とはならない点が、FXの申告分離課税との大きな違いです
- 同じ年の雑所得内での通算はできるため、複数の取引所で損益が分かれている年は、全取引所の履歴を揃えて計算する必要があります
複数の取引所をまたいだ損益計算は手作業だとかなり骨が折れます。取引履歴を取り込んで損益を自動計算するツールや、暗号資産に明るい税理士に頼る選択肢も含めて、記録が揃っているうちに整理しておくのが安全です。
これから暗号資産を始める人へ|元DMMビットコイン利用者からの視点
私は「暗号資産はやめておけ」とは言いません。46万円の損失も、取引所の消滅も経験しましたが、問題の中心は暗号資産そのものではなく、私のレバレッジの使い方と資金管理にあったと考えているからです。
その上で、これから始める人が最低限確認すべきことを、経験者として3つだけ挙げます。
- 金融庁に登録された暗号資産交換業者を選ぶ。登録の有無は金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(PDF)で誰でも確認できます
- 最初はレバレッジを使わない。少額の現物から始めて、値動きの体感を先に作る方が安全です
- 1社に全額を置かない。DMMビットコインの例では資産は守られましたが、移管完了まで利用者は動けない期間を過ごしました
なお、私の口座がそうだったように、DMMビットコインの資産の移管先はSBI VCトレードでした。2026年7月時点で、国内の登録業者でレバレッジ取引を扱う主なところにはSBI VCトレード、GMOコイン、bitFlyerなどがあります。どこを選ぶにしても、上の3つの確認を先にしてください。
DMMという同じグループのサービスでは、私はFXでも痛い思いをしています。始める前の判断材料として、DMM FXの危険性について経験者として書いた記事と、14社を使った上でのDMM FXの評判レビューも併せて読んでみてください。
よくある質問
DMMビットコインはなぜ廃業したのですか?
直接のきっかけは2024年5月31日に発生した4,502.9BTC(約482億円相当)の不正流出です。顧客資産の全額保証と業務改善を進めたものの、2024年12月2日に事業廃止とSBI VCトレードへの移管方針を発表し、2025年3月8日にサービスを終了しました。なお流出の根本原因は、2024年9月の行政処分の時点では「究明に至っていない」とされています。
預けていた資産は補償されたのですか?
はい。DMMビットコインは流出分を含む顧客資産の全額保証を表明し、グループ会社からの資金調達で対応したと報じられています。最終的に口座と預かり資産はSBI VCトレードへ移管されました。元利用者として付け加えると、資産が守られた実例ではあるものの、すべての取引所で同じ結果になる保証はありません。
移管のときに利用者側の手続きは必要でしたか?
口座開設の手続きは原則不要で、SBI VCトレード側で口座が開設される形で引き継がれました。ただしレバレッジ取引の未決済ポジションは移管対象外だったため、ポジションを保有していた人は移管前に決済が必要でした。
DMMビットコインの取引履歴や年間取引報告書はもう手に入りませんか?
サービス終了後に過去履歴を取得するのは難しくなっています。確定申告などで過去の損益を確認する必要がある場合は、移管先の案内や銀行の入出金履歴から再構成することになります。私自身、この記事の入出金は銀行の振込履歴から書きました。取引履歴は取引所が稼働しているうちに手元へ保存しておくことを強くおすすめします。

