当落は自分では決められません。日程も会場も、こちらの都合には合わせてくれません。それなのに、当たった瞬間から出ていく金額だけは現実的に決まっていきます。
この記事は、推し活をやめる話ではありません。削らないと決めた出費を、無理のない形で先に用意しておくための設計図です。まず遠征1回でどこにいくら出ていくのかを公的統計で分解し、次に年間の当落スケジュールから毎月の先取り額を出します。そのうえで、どうしても足りない回が来たときに、借りていい状態と借りない方がいい状態を分けておきます。
(※本記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。統計の数値は年次で更新され、各社の条件・受付方法も変更されることがあります。)
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遠征1回に、実際いくら出ていくのか
検索されている疑問を見ると、最初に求められているのは節約術でも借り方でもありません。「ライブ遠征にかかる費用は平均していくらですか?」という、金額の物差しです。同じ形の質問が上位を占めています。
そこでまず、公的な統計で1回あたりの金額を分解します。
公的統計で見る「1回あたり」の費目内訳
観光庁「旅行・観光消費動向調査」の2025年年間(確報)によると、国内宿泊旅行の1人1回あたり旅行単価は72,412円です(※1、※2)。内訳は次のとおりです。
| 費目 | 1人1回あたり |
|---|---|
| 参加費 | 5,075円 |
| 交通費 | 18,447円 |
| 宿泊費 | 18,205円 |
| 飲食費 | 9,721円 |
| 買物代 | 8,366円 |
| 娯楽等サービス費その他 | 4,624円 |
| 旅行中に使ったぶん 計 | 64,439円 |
| 旅行の前後に使ったぶん 計 | 7,973円 |
| 合計 | 72,412円 |
※観光庁「旅行・観光消費動向調査」2025年年間(確報)第13表・宿泊旅行/全目的計。2026年9月15日に公式PDFと集計表を確認。
※上の6費目は「旅行中に使ったぶん」の内訳です。6つをそのまま足すと64,438円になり、原表の「旅行中 計」64,439円と1円ずれますが、これは費目ごとに四捨五入されているためで、原表も同じ形で公表されています。
18,447円(25.5%)
18,205円(25.1%)
9,721円(13.4%)
8,366円(11.6%)
7,973円(11.0%)
5,075円(7.0%)
4,624円(6.4%)
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」2025年年間(確報)第13表・宿泊旅行/全目的計。2026年9月15日確認。
構成比(%)は各費目の金額 ÷ 合計72,412円で編集部が計算。バーの長さは最大値(交通費18,447円)を100%とした相対表示。
注目してほしいのは合計額ではなく、構成比です。
交通費18,447円 + 宿泊費18,205円 = 36,652円
単価72,412円に対して約51%
移動と宿の2つだけで、1回の出費の半分を超えます。現地で使う飲食費9,721円と買物代8,366円を足した18,087円より、交通費1つの方が大きい。ここが、遠征の予算がいつも読めない原因です。
目的を「観光・レクリエーション」に絞った数字も公表されていて、こちらは単価82,270円、うち宿泊費が24,153円です(※1)。行き先や時期の選べなさが、そのまま宿泊費に乗るという構造が見て取れます。
チケット代は「最初から分かっている金額」
一方、チケット代の物差しも一次データで置けます。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(A.C.P.C.)の基礎調査によると、2025年のライブ・コンサートは公演数33,769本、入場者数5,999万人、年間売上額6,443億円です(※3)。
6,443億円 ÷ 5,999万人 = 1人あたり約10,740円
この割り算は当編集部によるもので、協会が公表している数値そのものではありません。あわせて、協会の原表には「A.C.P.C.正会員社対象の集計であり、日本全体のライブ・エンタテインメント市場規模とは異なります」という注記があります(※3)。業界全体の平均ではなく、正会員社の集計から出した目安として読んでください。
それでも言えることが1つあります。チケット代は、申し込んだ時点でほぼ確定している金額だということです。予算を壊すのは、あとから積み上がる方です。
平均額を、そのまま自分の遠征費にしない
ここで大事な但し書きを置きます。72,412円は「全目的の国内宿泊旅行の平均」であって、遠征1回の実額ではありません。
遠征に慣れている人ほど、宿を平均よりかなり安く上げます。会場から1駅ずらす、素泊まりにする、夜行を使う——こうした型を持っている人の宿泊費は、全国平均の半分以下になることも珍しくありません。逆に、当日に帰るのが物理的に不可能な会場だと、泊まりは選択ではなく強制になります。実際、遠方の会場について「当日に帰るのが不可能だから泊まりになる」という前提で予定を組んでいる声があります。
つまり平均額は、自分の数字を測るための基準線であって、答えではありません。
直近3回の明細を、5つの項目に振り分ける
やることは1つだけです。カードの利用明細と決済アプリの履歴を3回分さかのぼり、次の5項目に振り分けます。
| 項目 | 何で決まるか | 自分で動かせるか |
|---|---|---|
| チケット代 | 席種・公演数 | ほぼ動かせない(申し込んだ時点で確定) |
| 交通費 | 距離・手段・予約タイミング | 動かせる(早割・夜行・在来線) |
| 宿泊費 | 会場周辺の需給・曜日 | 動かせる(1駅ずらす・素泊まり) |
| グッズ代 | 当日の物販ラインナップ | 動かしにくい(現地で増える前提で持っていく) |
| 飲食・現地雑費 | 滞在時間・同行者 | 動かせるが、削ると満足度が落ちやすい |
3回分の平均を出すと、たいていは公的統計と同じ形になります。大きいのは交通費と宿泊費で、グッズ代はだいたい想定どおり。
予算を崩しているのは推しへの出費そのものよりも、移動と現地です。これが分かると、次の貯金の設計が一気に楽になります。
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推し活貯金は「年間の当落スケジュール」から逆算する
貯金が続かないのは、たいてい設計の問題です。いつ、いくら要るのかが決まっていないお金は貯まりません。
1. 1年分の「出費が起きる月」を先に埋める
ツアー発表、FC先行、一般発売、円盤、記念盤、生誕、対バン。年間で出費が起きる月は、だいたい毎年似た位置に来ます。カレンダーアプリでも手帳でもいいので、月のマス目に「起きそうな出費」を書き込みます。金額は前回実績でかまいません。
これをやると、「毎月なんとなく足りない」が「11月と3月だけ突出している」という形に変わります。対処できるのは後者だけです。
なお、当落は読めません。落選もあれば、追加販売の落選もある。だからこそマス目は「当たった場合」で埋めます。外れたぶんは、そのまま次の月へ繰り越せばいい。多く見積もって余る設計は、少なく見積もって足りない設計より確実に楽です。
2. 専用口座を1つ作る(生活費と同じ口座に置かない)
推し活費を生活費と同じ口座に入れておくと、遠征費が生活費に見え、生活費が遠征費に見えます。どちらも減った理由が分からなくなるのが、いちばんまずい状態です。
ネット銀行でも、メイン銀行の第2口座でも構いません。条件は2つだけです。
- 給料日に自動で入金される(手動送金はいずれ止まります)
- その口座のカードを財布に入れない(引き出しにくさが最大の防波堤になります)
3. 先取りの金額は「年間見込み ÷ 12」+1割
1で埋めたマス目の合計を12で割った額が、毎月の先取り額です。そこに1割だけ足します。追加公演と、当日に増えるグッズのぶんです。
たとえば年間見込みが24万円なら、24万円 ÷ 12 = 2万円。これに1割を足して月22,000円。この1割があるかどうかで、「当たったのにお金がない」の発生率がはっきり変わります。
4. 「最低いくら残すか」の線を先に決める
同じ悩みを持つ人が集まる場所では、「最低○○万は残す」という自分ルールを決めている、という話がよく出ます。貯める額よりも先に、割ってはいけない残高の下限を決めておく考え方です。
下限を決めておくと、判断が速くなります。遠征費を出したら下限を割る——その時点で、その回は見送るか、別の原資を探すか、という話に自動的に切り替わるからです。金額の大小ではなく、線を割るかどうかで決めるのが、続けるコツです。
「年間見込み」は、当落を待たず当たった場合で埋めた1年分のマス目の合計です。
遠征費を出したら下限を割る場合は、その回は見送るか別の原資を探すか、という判断に自動的に切り替わります。
計算式: 毎月の先取り額 = 年間見込み(当たった前提のマス目合計) ÷ 12 + その1割。
上記の240,000円・20,000円・22,000円は、計算の流れを示すための一般的な例です。実際の金額は自分のマス目の合計に置き換えてください。
そのうえで、ここまでやっても足りない回は必ず来ます。当落と日程を自分で選べない以上、足りない回が来ることまで含めて設計に織り込んでおくものです。
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「そもそも貯金にまわせない」ときに先に見るところ
先取り貯金は、先取りできる余りがある人にしか効きません。「返済と支払いに追われてるから貯金すらほぼ出来ない」という声は実在します。「借金返済と養育費が無かったとしても生活が厳しい」という声も。この章は、その状態の人向けです。
順番を間違えない(推し活費は3番目)
手元のお金には、崩してはいけない順番があります。
- すでにある返済(遅れると、次に本当に必要になったときの選択肢が減ります)
- 止まると元に戻せない固定費(家賃・携帯・保険・ライフライン。契約そのものが消えると、戻すコストの方が高くつきます)
- 推し活費
この順番で残ったものが、先取りにまわせる金額です。3番目の予算を確保するために1番目や2番目を後ろへずらすと、遠征1回の費用よりはるかに大きいものを失います。
すでに返済中・債務整理中なら、この章の先には進まない
すでに返済が続いている人、債務整理の手続き中・返済中の人は、新しく借りる話に進まないでください。次の章から先は、その状態の人に向けて書いていません。
この場合の相談先は、貸金業者ではなく窓口です。
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター(返済の相談・生活再建の相談)
- 各地の消費生活センター(消費者ホットライン 188)
- 法テラス(収入等の条件に応じた無料法律相談)
- 手続き中であれば、まず依頼している弁護士・司法書士の事務所
手続き中の追加の借入は、進行中の手続きそのものに影響します。行きたい回があっても、この記事の先の章には進まず、まず今の窓口に一言入れてください。行けるかどうかは、そのうえで決まります。
貯める額ではなく「1回あたりの単価」を下げる
貯金にまわせない状態で、貯金額を増やす計画を立てても実行できません。先に効くのは1回あたりの単価を下げることです。
前章の統計が示すとおり、動かせる金額が大きいのは交通費と宿泊費です。行く公演の数を減らす前に、この2つの型を決める。早割の申込日をカレンダーに入れておく、宿は会場最寄りではなく1〜2駅先で探す、素泊まりにする。単価が1回1万円下がれば、年4回で4万円。先取り額を月3,000円増やすより、こちらの方が早く効きます。
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それでも足りない回:借りていい3条件
この章は、満20歳以上で安定した収入があり、返済の見通しを自分で立てられる人に向けて書いています。
18歳・19歳の方を含め、20歳未満の方、学生の方、収入が不安定な方は、この章ではなく前章の「そもそも貯金にまわせないとき」と、公的な相談窓口を先に見てください。(民法の改正で18歳から成人になりましたが、お金を貸す側が申込の対象としている年齢は、成人かどうかとは別に各社が決めています。)年齢や収入の条件は会社によって異なり、各社が公式サイトで明示しています。条件に合わない場合は、そもそも申込の対象外です。
すでに返済中の方、債務整理の手続き中・返済中の方も、この章の先へは進まないでください。新しく借りる前に、前章の窓口へ相談するのが先です。
そのうえで。前提として、借りない選択肢が常にいちばん安く済みます。この章の目的は借入先を探すことではなく、借りてもいい状態かどうかを自分で判定できるようにしておくことです。
以下の3つがすべて揃っている時だけ、検討の土俵に乗ります。1つでも欠けたら、次の章へ進んでください。
すでに返済中の方・債務整理の手続き中の方 → 先に今の窓口へ相談(この図の先には進まない)
(申込前の確認へ)
(「借りない方がいい3条件」へ)
3つすべてが揃った場合でも、審査の可否は事前には分かりません(各社とも審査基準を公表していません)。
条件1. 返す日を、カレンダーの実在の日付で指させる
「たぶん来月には」ではなく、返す日を日付で言えることです。次の給料日は何日か、その日に入る額はいくらか、そこから固定費と既存の支払いを引いて残るのはいくらか。この3つが即答できない段階では、まだ土俵に乗っていません。
条件2. 返す原資が、すでに確定している
確定しているとは、もう働いた分、またはもう入ることが決まっている分という意味です。今月すでに出した残業、支給日が決まっている賞与、確定した精算金などが該当します。
「来月は残業を増やすつもり」「不用品を売れば足りるはず」は、確定ではなく予定です。予定を原資にすると、返済が次の遠征と重なります。これが、推し活の借入がこじれる典型です。
条件3. 利息を「実額」で出してから比べている
金額の話ではなく、比較の話です。「たぶん数千円」ではなく、実額を出してから決める。判断材料はそれだけです。
利息の計算式は単純で、元金 × 率 × 日数 ÷ 365。ここでは、特定の会社の条件ではなく、利息制限法第1条が定める上限で試算します。同条は「元本の額が十万円未満の場合 年二割」「元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分」と定めています(※4)。
| 借りた金額 | 30日で返した場合 | 90日かかった場合 |
|---|---|---|
| 30,000円(上限 年20%) | 約493円 | 約1,479円 |
| 50,000円(上限 年20%) | 約822円 | 約2,466円 |
| 100,000円(上限 年18%) | 約1,479円 | 約4,438円 |
※上記は利息制限法1条の上限を使って当編集部が計算した単純試算であり、特定の会社の条件ではありません。この記事からリンクしている会社を含め、実際に適用される率は各社の公式サイトに掲示されている数字をご確認ください。この表の率とは異なります。実際に適用される率は契約ごとに異なります。また元金が減らない前提の計算のため、返していけば実際の利息はこの表より少なくなります(※6)。
この表を出す目的は「安い」と言うためではありません。日数が3倍になれば利息も3倍になる、という増え方を先に見てもらうためです。そのうえで、この金額と「行かなかった場合に失うもの」を並べて、自分がどちらを選ぶかを決める。金額を見ずに「行きたいから」で決めた判断は、翌月にほぼ確実に後悔が来ます。
3つ揃っていても、結果は事前には分かりません
申込をしても、契約に至るかどうかは審査次第です。審査の基準や可決の可能性について、各社とも公表していません。一律の基準もありません。「前回通ったから今回も」という考え方は成り立ちません。
通る前提で遠征の予定を確定させず、通らなかった場合にどうするかを先に決めてから申し込んでください。
申し込む前に条件を横並びで確認したい場合は、<a href=”/cardloan/1405/”>中小消費者金融8社の登録情報と条件の一覧</a>にまとめてあります。会社ごとの登録番号と条件は、そちらで確認できます。
申込は、インターネットの申込フォームから進められます。必要な入力項目や条件を、自分のペースで画面を読みながら確認できるのが利点です。なお、申込フォームを送信したことは、融資が決まったことを意味しません。審査を経て契約手続きまで進んで、はじめて契約になります。条件・必要書類・受付方法は変更されることがあるため、申し込む前に公式サイトで最新の内容を確認してください。
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借りない方がいい3条件
こちらは、1つでも当てはまったら見送りです。前章の3条件より軽い話ではありません。同じ重さで扱ってください。
1. 前の借入が残っている
残高がある状態での追加の借入は、返す先が増えるだけでなく、次の申込にも影響します。
また、貸金業者からの借入には、年収に対する残高の上限の考え方があります(いわゆる総量規制)。貸金業法第13条の2は、個人を相手方とする貸付けについて、年間の給与等の収入の額に「三分の一を乗じて得た額」を基準額とし、これを超えることとなる契約を「個人過剰貸付契約」として、貸金業者が締結してはならないと定めています(※5)。
やるべきことは、次の借入先を探すことではありません。残っている返済の全体像(どこに、いくら、いつまで)を1枚に書き出すことです。合計が把握できていない状態で新しく借りると、次に困ったときに打てる手がなくなります。
2. 返す原資が未定
条件2の裏返しです。「行ってから考える」は、返済計画ではありません。
この場合の代わりの手は、遠征の中身を削ることではなく、日程を動かせる出費を後ろへずらすことです。円盤や記念盤は買う時期を選べます。当落で日付が決まるものと、自分で日付を選べるものを分けると、同じ月に重ならなくなります。
3. 年に3回以上、遠征のたびに借りている
回数は、家計が持つかどうかのいちばん分かりやすい目安です。年に3回以上、遠征のたびに借りている状態は、貯金の設計がまだ実態に合っていないというサインです。
この場合にやるべきことは、前々章の「年間見込み ÷ 12」の見直しと、「1回あたりの単価を下げる」方です。行く公演を減らす話ではありません。移動と宿と現地雑費の型を決める方が、たいていは早く効きます。
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申し込む前に、自分の目で確かめる3つ
条件が揃っていて、検討の土俵に乗った場合の話です。ここから先で確認する内容は、記事ではなく公式サイトで直接読んでください。条件は変更されますし、記事に書かれた時点の情報は古くなります。
1. 条件は、公式サイトの表記をその場で読む
会社ごとの条件は公式サイトに掲示されています。年齢・収入の条件、対応しているエリア、受付の方法は、会社によって違います。特にエリアは見落とされやすく、全国対応の会社もあれば、特定の府県だけを対象にしている会社もあります。
貸金業を営むには登録が必要で、登録番号は公式サイトに掲示されています。会社名と登録番号が公式サイトで確認できるかを、いちばん先に見てください。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、その番号を照合することもできます。
2. 必要書類を先に手元へそろえる
申込を始めてから書類を探すと、そこで止まります。一般的に求められるのは、本人確認書類と、収入に関する書類です。運転免許証やマイナンバーカード、直近の給与明細や源泉徴収票を、スマホで撮れる状態にしてから始めると、入力が途中で止まりません。
何がどこまで必要かは会社によって違うため、申込ページの必要書類の欄を先に読むのが確実です。
3. 申込方法と、入力項目を先に見ておく
申込は、インターネットの申込フォームから進められる会社が多くなっています。フォームには、資金使途や他の借入の状況を入力する欄があります。これらは、入力する前に手元の事実を確認しておくべき項目です(回答の考え方は次章のよくある質問にまとめました)。
なお、返済のシミュレーションを公式サイトに用意している会社もあります。すべての会社にあるわけではありませんが、用意されていれば、前章の試算を自分の条件に置き換えて確認できます。
条件・必要書類・受付方法は変更されることがあります。申込フォームの送信は、融資が決まったことを意味しません。審査を経て契約手続きまで進んではじめて契約になります。まずは、インターネットの申込フォームと、その会社が公式サイトに掲示している条件を、自分の目で読んでください。
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借りた後にやる2つのこと
借りた直後は、遠征の余韻で頭がいっぱいです。だからこそ、帰りの車内で、翌月の自分に2つだけ申し送りをしておきます。
1. 返す日をカレンダーに入れる(通知は2回)
返す日そのものと、その3日前。2回とも通知を鳴らします。口座からの引き落としなら、前日までに残高を用意する必要があるので、前倒しの通知の方が実務的には効きます。
うっかりの遅れは、金額以上のものを失います。次に本当に必要になったときの選択肢が減るからです。
2. 次回の先取り額を上乗せする
今回足りなかった額を12で割って、毎月の先取り額に上乗せします。3万円足りなかったなら、月2,500円です。
これをやると、同じ理由で足りなくなる回が確実に減ります。今回の不足は、次の設計にそのまま使える実測値です。推し活を続ける前提で家計を組み直す作業だと考えてください。
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よくある質問
Q. 遠征1回の費用は、平均でいくらですか。
A. 遠征そのものを対象にした公的統計はありません。近い数字として、観光庁の調査では国内宿泊旅行の1人1回あたり単価が72,412円(2025年・確報)、うち交通費18,447円・宿泊費18,205円です(※1、※2)。ただしこれは全目的の平均で、遠征に慣れている人は宿泊費を平均よりかなり低く抑えます。自分の直近3回の明細で測るのが確実です。
Q. 推し活の費用を理由に借りるのは、そもそもよくないことですか。
A. 使い道そのものに優劣はありません。判断を分けるのは使い道ではなく、返し方が決まっているかどうかです。本記事の3条件が揃っているなら検討の土俵に乗りますし、揃っていないなら、使い道が何であれ見送りが妥当です。
Q. 申込フォームの資金使途は、正直に書いて大丈夫ですか。
A. 選択肢から該当するものを選び、正確に申告してください。虚偽の申告は、それ自体が不利に働きます。申込内容をどう評価しているかは、各社とも公表していません。書き方を工夫して通そうとする発想ではなく、事実を書いて、その結果で判断するという順番で考えてください。
Q. 前の借入が残っている場合は、どう申告すればいいですか。
A. 申込フォームには他の借入の状況を入力する欄があります。残高と件数を、事実のとおり入力してください。申告しなくても分からない、という前提で書くべき欄ではありません。なお、前の借入が残っている状態は、本記事では「借りない方がいい3条件」の1番目に置いています。入力の前に、まず残っている返済を1枚に書き出すことをおすすめします。
Q. クレジットカードの分割払いと、どちらがいいですか。
A. どちらが有利かは、金額・日数・適用される手数料の率で変わります。一律の正解はありません。判断するなら、両方を実額で計算して並べてください。分割手数料の実額はカード会社の会員ページで確認でき、借りた場合の利息は「元金 × 率 × 日数 ÷ 365」で自分でも出せます(本記事の試算表は利息制限法の上限で計算したものです・※4、※6)。感覚ではなく、2つの数字を横に並べた時点で答えは出ます。
Q. クレジットカードを持っていないと、チケットの申込自体ができないことがあります。
A. 受付方法は主催者・プレイガイドによって異なり、決済手段が限定される受付が実際にあります。これは借入で解決する問題ではなく、受付方法の問題です。同じ公演で別の受付枠があるか、コンビニ決済に対応した枠があるかを、先に受付ページで確認してください。
Q. 今は返済中ですが、どうしても行きたい公演があります。
A. 新しく借りる前に、いま相談している窓口(依頼している弁護士・司法書士、日本貸金業協会の相談センター、消費生活センター、法テラス)に先に一言入れてください。手続き中の追加の借入は、進行中の手続きそのものに影響します。本記事の3条件は、この状態には当てはまりません。
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まとめ
- 遠征の予算を崩すのはチケット代ではなく移動と宿。公的統計では交通費18,447円+宿泊費18,205円で1回あたり単価の約51%を占める(※1、※2)
- ただし平均額は自分の実額ではない。カードの明細と決済履歴を直近3回分さかのぼり、5項目に振り分けて自分の数字を出す
- 推し活貯金は年間の当落スケジュールから逆算する。専用口座に「年間見込み ÷ 12 +1割」を先取りし、割ってはいけない残高の下限を先に決める
- 貯金にまわせないなら、順番は①返済 ②止まると戻せない固定費 ③推し活費。返済中・債務整理中の人は、借りる前に窓口へ
- それでも足りない回に検討の土俵に乗るのは、返す日を日付で言える・原資が確定している・利息を実額で出して比べたの3つが揃ったときだけ。1つでも欠けたら見送り
当落も日程も、こちらでは選べません。選べるのは、そのときに慌てないための準備の方です。
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出典
- ※1 観光庁「旅行・観光消費動向調査」2025年年間(確報) (2026年9月15日確認)
- ※2 同調査 集計表(第13表・宿泊旅行/費目別) (2026年9月15日確認)
- ※3 一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(A.C.P.C.)基礎調査推移表 (2026年9月15日確認)。1人あたりの金額は、公表されている売上額と入場者数から当編集部が計算したもの。原表の注記「A.C.P.C.正会員社対象の集計であり、日本全体のライブ・エンタテインメント市場規模とは異なります」を参照のこと
- ※4 利息制限法(昭和29年法律第100号)第1条 e-Gov法令検索 (2026年9月15日確認)
- ※5 貸金業法(昭和58年法律第32号)第13条の2 e-Gov法令検索 (2026年9月15日確認)
- ※6 本記事の利息の試算は、本文に示した式(元金 × 率 × 日数 ÷ 365)に利息制限法第1条の上限を当てはめて当編集部が計算したものです。特定の会社の条件ではなく、外部の試算ページの数値も使っていません

