複数の返済を1本にまとめたい。大手で断られたので中小の消費者金融を探している。この記事は、その状態で「中小のおまとめローン」を調べ始めた方に向けたものです。coscado編集部が、7社の公式サイトと法令の条文だけで整理しました。確認日は2026年8月25日です。
先に結論を3つ置きます。
- 審査のないおまとめローンは存在しません。貸金業法は、貸付けの契約を結ぼうとする貸金業者に返済能力の調査を義務づけています。おまとめであってもこの調査は省かれません。
- 中小7社のうち、おまとめ・借換えの専用商品を公式サイトに掲げているのは3社でした(2026年8月25日確認)。「中小のおまとめ◯選」という一覧をよく見かけますが、実際に商品として持っている会社はそこまで多くありません。
- まとめると毎月の返済額は下がることがありますが、返済期間が延びると総支払額は増えることがあります。この記事では、公式サイトが公開している返済例の数字でその増え方を出します。
審査の基準そのものは、どの会社も公表していません。通りやすさを外から証明する材料はないため、この記事では公表されている商品条件と法令の条文だけを並べます。判断の基準はカードローン記事の調査方針に公開しています。
この記事の調べ方(7社・確認日・判定の基準)
最初に、何をどう調べたかを書きます。ここが曖昧な記事の数字は使えないからです。
| 確認日 | 2026年8月25日 |
|---|---|
| 対象 | coscado編集部が個別記事で貸金業の登録まで確認している中小7社 |
| 確認先 | 各社の公式サイト(トップページ・商品案内ページ・よくある質問) |
| 「あり」の判定基準 | 公式サイトに、他社債務の返済(借換え)を使いみちとする商品が、条件つきで独立して掲載されていること |
| 「なし」の判定基準 | 公式サイト内に、上記に当たる商品の記載を見つけられなかったこと |
| 条文 | e-Gov法令検索から同日取得(貸金業法・貸金業法施行規則) |
注意点を先に書いておきます。中小の消費者金融は全国に多数あり、この7社が全部ではありません。7社以外にもおまとめの商品を扱う会社はあります。ここで言えるのは「編集部が登録情報まで確認したこの7社の中では3社だった」という範囲までです。
また、「公式サイトに記載がない」ことは「取り扱いがない」ことの証明にはなりません。電話で相談すれば個別に対応する会社もあり得ます。それでも、申し込む側にとっては「サイトに条件が書かれているか」は実務上とても大きい違いです。書かれていなければ、金額も年率も回数も比べようがないからです。
おまとめローンとは何か:追加の借入れができない「返済専用」の商品
おまとめローンは、名前だけ見ると「借入れの一種」ですが、通常のカードローンとは設計が違います。いちばん大きい違いは、契約したあとに追加で借りられないという点です。
デイリーキャッシングの商品ページには、この性格がはっきり書かれています。
残高を段階的に減らしていく貸金業法施行規則第10条の23第1項第1号の2に該当する商品です
対象となるのは貸金業者(みなし貸金業者を含む)からのお借入れ(元本のみ)の範囲内となります。
総量規則の例外とされているので(年収の1/3を超える)お借入れが可能です。ただし、ご返済のみで追加のお借入れは出来ません。出典: デイリーキャッシング公式サイト「貸金業法に基づくおまとめローン」(2026年8月25日確認)
ここから読み取れることが3つあります。
- まとめられるのは貸金業者からの借入れ(元本のみ)です。クレジットカードのショッピングの残額や、銀行の借入れは対象の外に置かれます
- 契約後は返済だけです。カードローンのように、返した分をまた借りるという使い方はできません
- 年収の3分の1という枠を超えていても契約できる場合があります。これは会社のサービスではなく、法令が例外として定めているためです
アローも同じ性格の商品を「貸金業法に基づく借換ローン」という名前で出していて、対象になる債務の範囲を明記しています。
「貸金業者(みなし貸金業者を含む)」からの借換債務になります。
(銀行、クレジットカードのショッピング等は対象外とします)出典: アロー公式サイト「借換えの対象となる債務」(2026年8月25日確認)
「全部まとめて1本にしたい」と考えて申し込んだのに、対象になるのは一部だけだった——というずれは、この段階で起きます。手元の借入れを、貸金業者からのものと、それ以外(銀行・クレジットカードのショッピング・友人からの借入れ・税金や公共料金の滞納)に分けて数えてから相談に進んでください。
「返済専用」であることの利点と、その裏側
追加で借りられない設計は、読者にとって不便な面と助かる面の両方があります。
不便な面は明らかです。急な出費があっても、そのおまとめの契約からは1円も引き出せません。手元の資金が細いまま10年近い返済を続けるなら、途中でまた別の借入れをすることになりかねません。おまとめを組んだあとに他社から借り直してしまうと、まとめる前より状況が重くなります。
助かる面は、残高が減る方向にしか動かないことです。返した分をまた借りられる契約では、残高が何年も同じ水準で止まることが起こります。返済専用の商品は、約定どおりに返せば残高が段階的に減っていきます。実はこの「段階的に減っていくこと」自体が、あとで見る施行規則の要件のひとつになっています。
年収の3分の1を超えていてもおまとめが組める理由(条文で確認)
「他社で断られたのに、おまとめなら通ることがあるのはなぜか」。ここは条文を見るのがいちばん早い場所です。
まず、いわゆる総量規制の本体です。
(過剰貸付け等の禁止)第十三条の二 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、前条第一項の規定による調査により、当該貸付けの契約が個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。
2 前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約(以下「住宅資金貸付契約等」という。)及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)で、当該貸付けに係る契約を締結することにより、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(住宅資金貸付契約等に係る貸付けの残高を除く。)が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額をいう。次条第五項において同じ。)を超えることとなるもの(当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものを除く。)をいう。出典: 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第13条の2(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
読み方は2段です。前半で「返済能力を超える契約は結んではならない」と言い、後半で「年収の3分の1を超える契約」を個人過剰貸付契約と定義しています。そして最後の括弧に、例外の入口があります。「当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものを除く」——この内閣府令が、貸金業法施行規則です。
施行規則が定める2つの型
おまとめ・借換えに関係するのは、施行規則第10条の23第1項の第1号と第1号の2です。まず第1号から見ます。
(個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約等)第十条の二十三 法第十三条の二第二項に規定する個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 債務を既に負担している個人顧客が当該債務を弁済するために必要な資金の貸付けに係る契約であつて、次に掲げるすべての要件に該当するもの
イ 当該貸付けに係る契約の一月の負担が当該債務に係る一月の負担を上回らないこと。
ロ 当該貸付けに係る契約の将来支払う返済金額の合計額と当該貸付けに係る契約の締結に関し当該個人顧客が負担する元本及び利息以外の金銭の合計額の合計額が当該債務に係る将来支払う返済金額の合計額を上回らないこと。
ハ 当該債務につき供されている物的担保以外の物的担保を供させないこと。出典: 貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)第10条の23第1項第1号(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
第1号の型は要件が厳しめです。毎月の負担が今より重くならないこと(イ)に加えて、将来支払う返済金額の合計額まで今より増えないこと(ロ)が要件に入っています。つまりこの型は、月額も総額も両方が下がる借換えです。
次が第1号の2で、中小のおまとめ商品はこちらを名乗っていることが多い型です。
一の二 債務を既に負担している個人顧客が当該債務を弁済するために必要な資金の貸付けに係る契約であつて、次に掲げるすべての要件に該当するもの
イ 当該個人顧客が弁済する債務のすべてが、当該個人顧客が貸金業者と締結した貸付けに係る契約に基づき負担する債務であつて、貸金業者又は法第四十三条の規定により貸金業者とみなされる者(次項第一号の二ロにおいて「みなし貸金業者」という。)を債権者とするものであること。
ロ 当該貸付けに係る契約の貸付けの利率が、当該個人顧客が弁済する債務に係る貸付けに係る契約の貸付けの利率(当該個人顧客が弁済する債務に係る貸付けに係る契約が二以上ある場合は、弁済時における貸付けの残高(略)により加重平均した貸付けの利率)を上回らないこと。
ハ 当該貸付けに係る契約に基づく定期の返済により、当該貸付けの残高が段階的に減少することが見込まれること。出典: 貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)第10条の23第1項第1号の2(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
第1号の2で押さえるべき点は3つです。
- まとめられるのは貸金業者(みなし貸金業者を含む)に対する債務だけ(イ)。先ほど各社の公式サイトに書かれていた「銀行・クレジットカードのショッピングは対象外」は、この要件から来ています
- 新しい契約の利率が、今の借入れの利率(複数あるなら残高で加重平均した利率)を上回らないこと(ロ)。今より高い金利でまとめる契約は、この型の例外に当たりません
- 定期の返済で残高が段階的に減っていくことが見込まれること(ハ)。これが「返済専用・追加の借入れなし」という商品設計の根拠です
実際に、各社は自分の商品がどの号に当たるかを公式サイトに書いています。デイリーキャッシングは先ほどの引用のとおり「第10条の23第1項第1号の2に該当する商品」と明記していますし、アローも同じ形式で書いています。
本商品は、貸金業法に規定される「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約等」に該当し、貸金業法施行規則第10条の23第1項第1号または第1号の2に基づく商品です。(現在のお借入が年収の1/3を超えている場合でも審査可能です。)
出典: アロー公式サイト(2026年8月25日確認)
この一文の最後は「審査可能です」であって「借りられます」ではありません。年収の3分の1という枠の外に出られるだけで、審査そのものは残ります。ここを取り違えると、期待と結果がずれます。
実測:中小7社のおまとめ取り扱い(2026年8月25日)
本題です。7社の公式サイトを1社ずつ開いて、おまとめ・借換えの専用商品があるかを確認しました。結果は3社にあり、4社にはありませんでした(うち1社は不動産担保ローンでの対応)。
| 会社(ブランド) | 貸金業の登録番号 | おまとめ・借換えの専用商品 |
|---|---|---|
| デイリーキャッシング | 東京都知事(3)第31698号 | あり「貸金業法に基づくおまとめローン」(無担保) |
| いつも | 高知県知事(5)第01519号 | あり「おまとめローン」(無担保) |
| アロー | 愛知県知事(6)第04195号 | あり「貸金業法に基づく借換ローン」(無担保) |
| ニチデン | 大阪府知事(06)第12923号/奈良県知事(7)第01139号 | 無担保の専用商品は確認できず。不動産担保ローンのページに「おまとめローンとして利用可能」の案内 |
| アルコシステム | 兵庫県中播磨県民センター長(15)第50158号 | 公式サイトに記載を確認できず(証書貸付) |
| フタバ | 東京都知事(5)第31502号 | 公式サイトに記載を確認できず |
| スカイオフィス | 福岡県知事(7)第08437号 | 公式サイトに記載を確認できず |
登録番号は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスと日本貸金業協会の協会員情報で照合したものです(各社の個別記事に確認手順を書いています)。ニチデンは大阪と奈良の別々の2法人が同じブランド名で営業している構造なので、登録番号が2つ並びます。
専用商品がある3社の条件(公式サイトの記載そのまま)
| 項目 | デイリーキャッシング | いつも | アロー |
|---|---|---|---|
| 商品名 | 貸金業法に基づくおまとめローン | おまとめローン | 貸金業法に基づく借換ローン |
| 融資額 | 50万円〜600万円 | 1万円〜500万円 | 200万円まで |
| 実質年率 | 8.5%〜14.5% | 4.8%〜18.0% | 14.95%〜19.94% |
| 返済回数・期間 | 12回〜120回/5年〜最長10年(相談のうえ決定) | 商品案内ページに記載を確認できず | 2回〜180回/最短2ヵ月・最長15年 |
| 返済方式 | 元利均等 | 商品案内ページに記載を確認できず | 元利均等 |
| 使いみち | 貸金業者(みなし貸金業者を含む)からの借入れ(元本のみ) | 貸金業法に基づく貸金業者債務の借換え | 貸金業者(みなし貸金業者を含む)からの借換債務 |
| 担保・保証人 | 不要 | 不要 | 原則不要(借換え対象債務以上の担保・保証人設定はなし) |
| 対象者 | 満20歳以上で定期収入のある方 | 年齢20歳以上、65歳以下で安定した収入のある方 | 公式サイトの条件では21歳以下・71歳以上は契約不可 |
| 遅延損害金 | 年率20.0% | 商品案内ページに記載を確認できず | 年19.94% |
3社を並べると、同じ「おまとめ」でも中身がかなり違うことが見えます。年率の上限は8.5〜14.5%から14.95〜19.94%まで開いていますし、金額の下限も50万円からの会社と1万円からの会社があります。返済期間の上限は10年と15年で5年違います。
ここで先ほどの施行規則第1号の2ロを思い出してください。新しい契約の利率が、今の借入れの加重平均利率を上回らないことが要件でした。今の借入れが年18.0%中心なら、上限14.5%の商品と上限19.94%の商品では、この要件のクリアのしやすさが変わります。金利の数字は「お得さ」ではなく「その型に当てはまるかどうか」に直結します。
ニチデンのおまとめは担保が要ります
ニチデンは、公式サイトの商品がフリーローン・不動産担保ローン・事業者ローンの3つで、無担保のおまとめ専用商品は見つけられませんでした。おまとめの語が出てくるのは不動産担保ローンのページです。
こんなことでお困りではありませんか? 複数の借り入れをまとめたい/学費や医療費が足りない/リフォーム資金が足りない そんな時には、ニチデン不動産担保ローン おまとめローンとして利用可能
出典: ニチデン公式サイト「不動産担保ローン」(2026年8月25日確認・見出しの装飾で分かれている表示テキストを1文につなげています)
不動産担保ローンは、自宅などの不動産を担保に入れる契約です。無担保のおまとめとは、通らなかったときの結果も、通ったあとに背負うものも違います。担保に入れられる不動産がない方にとっては、この案内は選択肢になりません。また、ニチデンの対応地域は近畿の7府県に限られます。
各社の詳しい条件と、登録情報の確認手順は個別記事にまとめています。
- デイリーキャッシングの条件と申込の流れ(この記事で扱ったおまとめローンの提供元)
- ニチデンの審査と対応地域(近畿7府県・2法人構造・不動産担保ローンの位置づけ)
- 中小消費者金融の選び方(登録実確認済みの一覧)
審査のないおまとめローンは存在しません
「審査に通りやすいおまとめはどこか」という探し方をしている方が多い領域です。結論から書くと、審査を行わないおまとめローンは制度として成立しません。理由は会社の方針ではなく法律にあります。
(返済能力の調査)第十三条 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。
出典: 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第13条第1項(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
調査の対象として条文が並べているのは、資力・信用・借入れの状況・返済計画です。おまとめの契約もこの「貸付けの契約」に含まれます。調査を省いて契約する経路は用意されていません。
さらに、調査の方法まで法律が指定しています。
2 貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く。)を締結しようとする場合には、前項の規定による調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。
3 貸金業者は、前項の場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第一項の規定による調査を行うに際し、資金需要者である個人の顧客(略)から源泉徴収票(略)その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない。(略)一 次に掲げる金額を合算した額(略)が五十万円を超える場合 二 次に掲げる金額を合算した額(略)が百万円を超える場合(前号に掲げる場合を除く。)出典: 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第13条第2項・第3項(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
この2つの項から、おまとめに直結する事実が出てきます。
- 他社の借入れは、申告しなくても信用情報で分かります。貸金業者には信用情報を使う義務があるからです。申告内容と記録が食い違えば、その食い違い自体が調査の材料になります
- 収入証明書は、多くのおまとめで必要になります。その会社での契約額が50万円を超える場合、または他社を合わせた額が100万円を超える場合に提出を求めることが義務づけられているためです。おまとめは金額が大きくなりやすく、この区分に入りやすい商品です
実際、専用商品を持つ3社はいずれも必要書類に収入を証明する書類を挙げています。デイリーキャッシングの場合は「本人確認書類(運転免許証など)」「直近2ヶ月分の給与明細書または源泉徴収票」「印鑑」です。収入証明書を用意できない状態でのおまとめの申込みは、入口で止まります。
そして、契約に至れば、その契約の情報も信用情報機関へ送られます。
(個人信用情報の提供)第四十一条の三十五(略)2 加入貸金業者は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、当該貸付けに係る契約に係る個人信用情報を信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関(以下「加入指定信用情報機関」という。)に提供しなければならない。
出典: 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第41条の35第2項(e-Gov法令検索・2026年8月25日取得)
おまとめは債務整理ではなく、新しい貸付けの契約です。契約すれば、その内容が記録として残ります。「まとめれば記録が消える」ということはありません。
おまとめの審査で見られること、通らなかった人に共通する状態
審査基準は非公表なので、「この条件なら通る」という説明はできません。書けるのは、条文と公式の申込条件から説明がつく範囲だけです。以下は、その範囲での整理です。
1. 公式の申込条件から外れている
意外に多いのがここです。年齢の条件は会社ごとに違い、しかも上限があります。7社を並べても、いつもは「年齢20歳以上、65歳以下」、アローは公式の条件で21歳以下・71歳以上が契約不可、フタバは「73歳以下」と、上限の位置がそろっていません。おまとめは返済期間が長くなりがちなので、契約時の年齢に加えて、完済時の年齢も見られると考えるのが自然です。
2. 収入を証明する書類を出せない
先ほどの第13条第3項のとおり、金額の大きい契約では収入証明書の提出を受けることが義務です。転職直後で直近2か月分の給与明細がそろわない、確定申告をしていない、といった状態は、会社の判断以前の問題として手続きが進みません。
3. 申告した内容と信用情報の記録が食い違う
件数や残高をうろ覚えで書いて出す方がいますが、貸金業者は信用情報を使う義務があるため、そこは合わせられます。手元の借入れを、会社名・残高・利率・毎月の返済額の4項目で書き出してから申し込むのが確実です。この4項目は、おまとめの相談でも最初に聞かれます。
4. まとめた後の条件が、今より良くならない設計になっている
ここがおまとめ特有の落ち方です。施行規則第10条の23第1項第1号の2ロは、新しい契約の利率が今の借入れの加重平均利率を上回らないことを要件にしています。今の借入れがすでに低めの利率でそろっているなら、上限年率の高い商品ではこの要件を満たせません。「他社で断られたから、より上限年率の高い会社へ」という進み方が、おまとめでは行き止まりになることがあるのはこのためです。
5. 返済能力を超える契約と判断される状態にある
第13条の2第1項は「顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない」と定めています。まとめた後の毎月の返済額を、収入から出せる見込みが立たない場合、貸金業者の側が契約できません。断られたというより、法律上そこで止まる形です。
この5番目に当てはまりそうなら、次の章を先に読んでください。おまとめを探し続けるより早く進む道があります。
まとめた後の算数:毎月は下がっても、総支払額は増えることがあります
(複数の返済日も1つに)
(最長10年の商品も)
(期間が延びた分)
おまとめの説明で最もよく省かれるのが、この部分です。毎月の返済額と、最後まで払い終えるまでの総額は、別々に動きます。返済回数を増やせば毎月は軽くなりますが、その分だけ利息を払う期間が延びます。
抽象論ではなく、公式サイトが公開している数字で見ます。デイリーキャッシングの「月々のお支払いシミュレーション」(2026年8月25日確認)から、100万円・年率15.0%の3例です。
| 返済回数 | 毎月の返済額(公式) | 返済総額の概算(月額×回数) | 30回との差 |
|---|---|---|---|
| 30回(2年6か月) | 40,200円 | 約1,206,000円 | — |
| 50回(約4年2か月) | 27,100円 | 約1,355,000円 | 約+149,000円 |
| 60回(5年) | 23,800円 | 約1,428,000円 | 約+222,000円 |
毎月の返済額は40,200円から23,800円へ、16,400円軽くなります。その一方で、支払う合計は約22万円増えます。これが「まとめると楽になる」の中身です。楽になっているのは毎月の負担で、支払う総額ではありません。
公式サイトには次の注記が付いています。
※ご返済例は目安金額です。契約回数により異なります。最終回支払額は調整した金額となります。
出典: デイリーキャッシング公式サイト「月々のお支払いシミュレーション」(2026年8月25日確認)
上の表の「総額」は、公表されている毎月の返済額に回数を掛けた概算です。最終回は調整されるため、実際の合計はこの数字と一致しません。それでも、回数を延ばすほど総額が増えるという向きは変わりません。
同じ表の別の行でも同じことが起きています。50万円・年率18.0%なら、30回で毎月20,900円(概算総額 約627,000円)、60回で毎月12,700円(概算総額 約762,000円)。毎月は8,200円軽くなり、総額は約135,000円増えます。300万円・年率14.5%では、30回で毎月119,900円(概算総額 約3,597,000円)、60回で毎月70,600円(概算総額 約4,236,000円)。差は約64万円です。
おまとめの返済回数は、デイリーキャッシングで12回〜120回、アローで2回〜180回まで設定できます。上の例は60回までですが、そこからさらに回数を延ばせば、毎月はもっと下がり、総額はもっと増える方向に動きます。
金利が下がっても総額が増えることがあります
「金利が下がるのだから総額も下がるはず」と考えると、話が合わなくなります。利息は「残高×利率×期間」で積み上がるので、利率が下がっても期間がそれ以上に延びれば、合計は増えます。
だから、おまとめの相談で確認する数字は2つです。
- まとめた後の毎月の返済額(今の合計と比べる)
- 完済までに支払う合計額(今のままで払い切った場合と比べる)
2番目を出してくれるかどうかは、会社によって扱いが違います。契約前に交付される書面には、返済期間・返済回数・返済金額の記載が含まれます。署名する前にその2つの数字を読んでから決めてください。
「あとから繰上返済で縮める」ができない商品があります
ここは見落とされやすい落とし穴です。総額が増えるとしても、余裕ができたときに多めに返せば期間を縮められる——と考える方は多いはずです。ところが、おまとめ商品ではその手が使えないことがあります。
デイリーキャッシングのよくある質問には、繰上げ返済について次のように書かれています。
Q:月々の返済額とは別に、さらに多くの金額を返済すること(繰上げ返済)は可能ですか?
A:お利息全額以上のご返済であれば、お客様のご都合に合わせた金額のご返済が可能です。無理のないペースで計画的にご返済ください。
※貸金業法に基づくおまとめローンは対象外となりますので予めご了承下さい。出典: デイリーキャッシング公式サイト「よくあるご質問」(2026年8月25日確認)
フリーローンでは繰上げ返済ができるのに、おまとめローンは対象外と明記されています。つまり、契約のときに決めた回数が、そのまま最後まで効きます。
ここから導かれる実務の順序は1つです。回数は「払える範囲でいちばん短く」設定する。毎月を限界まで下げる設定にすると、あとから縮める手段がないまま総額が確定します。繰上返済の可否は会社と商品ごとに違うので、申込前に「この商品で繰上返済はできますか」と1問だけ確認してください。
おまとめでも返済が回らないなら、先に相談先を見てください
ここまで読んで「そもそも今の返済が回っていない」と感じた方へ。その状態でおまとめを探し続けるのは、順序が逆になっていることがあります。
おまとめは借入れです。契約すれば残高が消えるのではなく、返す先が1つになるだけです。次のどれかに当てはまるなら、申込みの前に相談先へ電話するほうが早く進みます。
- 手取りから家賃・光熱費・食費を引くと、今の返済額に届かない
- 返済のために別のところから借りている
- すでに延滞していて、督促の連絡が来ている
- 返済日が来るたびに、翌月をどうするか決められないまま過ぎている
相談は無料で受けられます。2026年8月25日に各公式サイトで確認した窓口を並べます。
| 窓口 | 電話 | 受付時間・費用 |
|---|---|---|
| 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 0570-051-051(ほかに050-3494-7988/03-5739-3861) | 9:00〜17:00(土・日・祝休日、年末年始休業日を除く)・無料 |
| 消費者ホットライン | 188(局番なし) | お住まいの地域の消費生活センター等につながります |
| 法テラス・サポートダイヤル | 0570-078374 | 平日9時〜21時/土曜9時〜17時 |
日本貸金業協会は貸金業法に基づく指定紛争解決機関で、貸金業者との間のトラブルの相談・苦情処理・紛争解決手続を扱っています。加えて、返済の先の生活を立て直すためのカウンセリングもあります。
貸金業相談・紛争解決センターでは、「債務整理はできたが、家計管理が苦手で今後の生活が不安」「依存的な行動(ギャンブルや買い物癖)によって生じた金銭問題がある」などといったケースには、再発防止を目的とした生活再建支援カウンセリングを行っています。(略)費用は無料です。
出典: 日本貸金業協会「生活再建支援カウンセリング」(2026年8月25日確認)
同じページには「カウンセリング料はかかりません。」「借金の整理が完了していなくても相談可能です。」とも書かれています。整理がついてから相談する場所ではありません。
相談の電話をかける前に、手元でこれだけ作っておくと話が早くなります。
- 借入先の一覧(会社名・残高・利率・毎月の返済額)
- 直近3か月の手取り収入
- 家賃・光熱費・通信費・保険料など、毎月出ていく固定費の合計
この3つは、おまとめの相談でも同じように必要になります。どちらへ進むにしても無駄になりません。先に作ってから、どちらの電話をかけるか決めてください。
よくある質問
おまとめローンの審査は厳しいのでしょうか
基準は公表されていないため、厳しい・厳しくないを外から判定することはできません。言えるのは、法律が求めていることが多いという事実です。返済能力の調査(第13条第1項)、信用情報の使用(同条第2項)、金額によっては収入証明書の提出を受けること(同条第3項)、返済能力を超える契約の禁止(第13条の2第1項)。さらに、総量規制の例外として扱うには施行規則の要件を満たす設計にする必要があります。通常の借入れより確認する項目が多い商品だと考えるのが実態に近いはずです。
審査に通りやすいおまとめローンはありますか
審査のないおまとめローンは存在しません。貸金業法第13条第1項が返済能力の調査を義務づけているためで、これは会社の方針で外せる部分ではありません。「審査なしでまとめられる」「申込みだけで通る」といった案内を見かけたら、その相手が貸金業の登録を受けているかを先に確認してください。登録の有無は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで商号を入れれば確認できます。
おまとめの審査に通らない理由を教えてください
会社は理由を開示しません。ただし、この記事で挙げた5つ(申込条件から外れている/収入証明書を出せない/申告と信用情報の記録が食い違う/まとめた後の条件が今より良くならない/返済能力を超える契約と判断される状態)は、条文と公式条件から説明がつく範囲です。とくに4番目は、金利の上限が高い会社に申し込むほど当てはまりやすくなります。
大手で断られた後に中小へ申し込むのは意味がありますか
その前に確認することがあります。その会社がおまとめの商品を持っているかどうかです。今回の7社では3社でした。商品がない会社に「まとめたい」と申し込んでも、通常のフリーローンの申込みとして扱われます。フリーローンは総量規制の例外ではないので、年収の3分の1の枠がそのまま効きます。ここを取り違えたまま何社も申し込むと、申込みの記録だけが増えます。
おまとめをすると信用情報に記録は残りますか
残ります。おまとめは債務整理ではなく新しい貸付けの契約なので、貸金業法第41条の35第2項により、契約した貸金業者は遅滞なく個人信用情報を指定信用情報機関へ提供します。まとめる前の各社の契約が完済扱いになり、新しい契約が1本増えます。
銀行のおまとめローンとは何が違いますか
根拠になる法律が違います。この記事で扱った総量規制(貸金業法第13条の2)と施行規則の例外は、貸金業者に適用されるものです。銀行は銀行法で運営されるため、この条文の対象外です。「銀行では借りられたのに」「銀行では断られたのに」という比較は、同じ物差しの上で成り立ちません。
返済期間はどのくらいまで延ばせますか
専用商品を持つ3社の公式サイトでは、デイリーキャッシングが12回〜120回(5年〜最長10年・相談のうえ決定)、アローが2回〜180回(最短2ヵ月・最長15年)と記載されています。いつもは商品案内ページで返済回数の記載を確認できませんでした。延ばせる上限が長い会社ほど、毎月を下げられる一方で総額が増えやすくなります。上限まで延ばすかどうかは別の判断です。
おまとめの契約後に、また借りることはできますか
できません。デイリーキャッシングの公式サイトには「ご返済のみで追加のお借入れは出来ません。」と明記されています。これは会社の運用ではなく、施行規則第10条の23第1項第1号の2ハが「定期の返済により、当該貸付けの残高が段階的に減少することが見込まれること」を要件にしているためです。おまとめを組んだ後の生活費は、その契約の外で用意する必要があります。ここを織り込まずに組むと、別の会社から借り直す流れになりがちです。
まとめ
- 審査のないおまとめローンは存在しません。貸金業法第13条第1項が返済能力の調査を義務づけ、同条第2項が信用情報の使用を義務づけています
- 中小7社のうち、おまとめ・借換えの専用商品を公式サイトに掲げているのは3社(デイリーキャッシング・いつも・アロー/2026年8月25日確認)。ニチデンは不動産担保ローンでの対応、残る3社は記載を確認できませんでした
- 年収の3分の1を超えても組めるのは、貸金業法第13条の2第2項の括弧書きと、施行規則第10条の23第1項の第1号・第1号の2があるためです。利率が今より上がらないこと、残高が段階的に減ることなどが要件で、条件が悪くなる借換えはこの型に当たりません
- まとめられるのは貸金業者からの借入れ(元本のみ)です。銀行の借入れやクレジットカードのショッピングは対象外と各社が明記しています
- 毎月の返済額と総支払額は別々に動きます。公式の返済例では、100万円・年率15.0%で30回→60回にすると毎月は16,400円下がり、総額は約22万円増える計算になります(月額×回数の概算)
- 繰上返済ができない商品があります。デイリーキャッシングは、フリーローンでは可能な繰上げ返済を、おまとめローンでは対象外と明記しています。回数は契約時に決まり切ります
- 返済が回っていない状態なら、おまとめより先に相談先へ。日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)、消費者ホットライン188、法テラス(0570-078374)はいずれも無料で使えます
おまとめは、返済の管理を楽にする道具にはなりますが、借金を減らす道具ではありません。「毎月がいくら軽くなるか」と「最後までにいくら払うか」を並べて見ること、そして回数を短めに設定できるかを先に考えること。この2つを外さなければ、判断を誤りにくくなります。
各社の条件と登録情報の確認手順は個別記事に、7社の並びと選び方は次のページにまとめています。
この記事の情報は2026年8月25日に各社の公式サイトおよびe-Gov法令検索で確認したものです。商品の有無・融資条件・金利・返済回数は変更されることがあります。申し込む前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。次回更新予定:2027年2月25日。

